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              中部電力浜岡原子力発電所において、昨年11月7日の1号機配管破断事故以来、次々に発生しているトラブルによって、同原発から40キロメートルの距離にある静岡市民の間にも不安が見られ、静岡市議会では本年7月「浜岡原子力発電所の度重なる事故に当たり抜本的な対策を求める意見書」を国の関係機関に提出し、その中で「安全が確保されるまで運転を再開しないよう指導すること」を要求してきた。 
               
              しかし、8月22日に明らかになった東京電力のトラブル隠しに続き、浜岡原子力発電所3号機でも、「キズの兆候」が発見されていたにも関わらず国に未報告であったことが判明し、さらに最新鋭原子炉と言われた4号機でも原子力圧力容器内のシュラウド(隔壁)に67箇所の「ひび」があったことが定期点検の中で発見された。 
               
              原発の安全性は設計によってのみ確保されるものではなく、厳重にして慎重な保守点検があってこそ成り立つものであることはいうまでもない。 
               
              静岡市議会としては、本年3月17日、7月1日の2度にわたって、全会一致で「意見書」を提出してきたところであるが、今回の事象は原発の安全性に対して改めて不安を抱かせるものであり、市民の不安を解消し、原子力発電所の十分な安全性を確保するために、国に対して下記のとおり実施されるよう重ねて強く求めるものである。 
             
            記 
            1  運転停止中の1号機から4号機までについて、細部まで徹底した緊急点検を行い、安全確保が確認されるまで運転再開を認めないこと。 
               
              2  配管ひび割れ、シュラウドひび割れ等の詳細なデータを公開すること。 
               
              3  東電トラブル隠しや電力会社の未報告事例を生む原因となった、国における法整備の遅れに対応するため、「維持基準」や「自主点検の法制化」等法律面での再検討、整備を早急に図ること。 
              以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 
               
               
             
            平成14年10月11日 
               
              静岡市議会    
             内閣総理大臣 小泉純一郎 様 
              総務大臣   片山虎之助 様 
              文部科学大臣 遠山敦子  様 
              経済産業大臣 平沼赳夫  様 
              防災担当大臣 村井 仁  様 
              科学技術政策担当大臣 尾身幸次 様 
              衆議院議長  綿貫民輔  様 
              参議院議長  倉田寛之  様 
             
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