解説ページトップ


縦揺れと横揺れ「0.5」のトリック
〜国によって水増しされたデータ〜

地震には縦揺れと横揺れがあります。 1995年に起きた阪神大震災では縦揺れが非常に大きかったと言われています。

下の図が、断層からの距離と水平方向(横)及び上下方向(縦)それぞれの最大加速度の比率を表したものです。

皆さんは、下のグラフに隠された『データ水増し』のトリックを見破ることができますか?




この図を元に、原子力安全委員会は、兵庫県南部地震では、縦揺れ(上下動)は横揺れ(水平動)の半分以下であるとし、この程度の地震では原発は破壊されないと結論づけました。

しかし、一見して分かるように、観測地点は20km〜200kmの位置に集中しています。

20kmまでの地点で限定すると、比率は1を超えるものもあり、平均では0.7くらいではないでしょうか。また、20km以上でも、0.5を超えている地点はたくさんあります

ここで問題なのが、原発の設計では、横揺れの1/2の上下動に耐えられれば良いとされていることです。(浜岡原発3号機の耐震度は600ガルですが、これは横揺れの数字で、縦揺れでは半分の300です。)


これまで日本では、地震といったら横揺れを主に考えていればよかったのですが、度重なる地震で明らかになったように、現実は必ずしもそうではありません。

つまり、原子力安全委員会は、大量にデータを水増しすることによって、強引に縦揺れと横揺れの比率を0.5以下と結論づけたのです。

もしも平均比率が0.5を超えれば、設計の限界値を超えてしまい、それでは全国の原発が困るのです。

この0.5の数字をもとに、国は、阪神大震災級の地震にも原発は耐えられるとし、その国の判定を根拠に中電は浜岡原発の安全性を主張しているのです。

こんな滅茶苦茶なことが科学としてまかり通っているのが日本の現実です。