週刊エコノミスト■「地震と日本経済」特集
東海地震と浜岡原発 
日本の原発はまだ一度も大地震を経験したことがない 
桜井淳

【記事要旨】
■老朽化を考慮した耐震評価については、データや研究事例が皆無であり、従って確実な安全評価はできない、と「原子力安全フォーラム」において海外の規制責任者から指摘されている。

浜岡原発1,2号機の「設計用限界地震」は水平地震力450ガル、3〜5号機は650ガル。原子炉は岩盤に直接設置されており、岩盤上の揺れを地表面に換算するには、おおよそ2倍の900〜1300ガルを想定すれば良い。

世界最大級の三次元振動台で、内部構造を摸擬して約1/3に縮小された原子炉を使って実験が行われた。振動の大きさは設計用限界地震の1.5倍の1350〜1950ガルである。結果は、機器、配管などすべての構造物に損傷はなかったと報告されている。
しかし、浜岡原発1,2号機は30年以上前に作られた老朽原発である。さらに、施工法や検査に伴う人的問題も考慮する必要がある。
原発はまだ大地震に遭遇した経験がない。大地震の際、どのような結果になるか誰にも確実なところは分からない。
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